遺伝子を信じるのか。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/28
- メディア: 文庫
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設定自体もただのミステリーではなく真剣に考えさせられる問題。
誰の視点から考えてみるか、というよりも全員の視点で考えさせられる。
妻をレイプされ更に子供を妊娠したらどうするか、という父の視点。
母がレイプされてできた子供が弟である、兄の視点。
産みの親が非道なレイプ犯である、弟。
春と泉という名前だけでも関連付けさせる親。
絵を描く才能をレイプ犯から受け継いだ弟。
遺伝子の会社に勤め、遺伝的なものを研究している兄。
いやー!!!考えちゃうよね。
遺伝って大切なものであるし誰もが少しは信じているものでもあるとおもう。
そんな中、遺伝が心底に憎らしいと思う人がいたらどうするんだろうか。
父が殺人犯で、自分が温和な性格であるほど、もしもの時の反動が怖いとかね。
遺伝子を信じずに環境を取るか、環境でなく遺伝子を取るか。
僕は良いトコ取りで良いと思う。
人間はできるだけ良い方向に進化していくという習性を考えたらそれが一番。
遺伝的にダメな部分は捨てて、環境的にダメな部分は捨てる。
遺伝的に良いトコを残して、環境的に良いトコを残す。
人間はそんくらい甘い考えでできていると思えばいいんじゃないかな。